皆さんは「ハイポネックス」をご存じですか?「当然知っていますよ!」という方や「何ですか?それは!」という方もいらっしゃるかと思います。私は、後者でした。今回は、そんな「ハイポネックス」について調べてみたいと思います。
ハイポネックスとは
ハイポネックスとは大阪府大阪市淀川区宮原に本社を置き、園芸用肥料・園芸用品の輸入・販売などを行う株式会社ハイポネックス ジャパンから販売されている液体肥料です。この会社は、昭和37年4月に丸和化学株式会社として設立された後、昭和58年9月に社名を株式会社ハイポネックスジャパンに改称しました。創業当初の頃から「ハイポネックス」は液体肥料の代名詞とも言われているます。なぜなら「ハイポネックス原液」は、発売以来常に液肥分野で50%を超えるシェアを保っている定番商品なのです。なぜ、そこまでの人気を保っているのでしょうか?謎に迫ってみましょう!
ハイポネックスの特長
これが、ハイポネックスです。
容量は、800ml、450ml、160mlの3種類があります。
ハイポネックス原液は字のごとく液体の肥料です。そもそも肥料には固形肥料と液体肥料があり、それぞれ用途によって使い分けられています。固形肥料は元肥(もとごえ)と呼ばれ、種まきや苗を植える前の土に混ぜ込みます。それに対して液体肥料は追肥(おいごえ又はついひ)といって、植物の生育の途中に追加的に使われることが多くなります。
液体肥料のメリット
液肥を使用するメリットは、なんといっても使いやすさです。濃度を調整して水やり感覚で使用することができます。成分量も調整しやすく、効果が現れるのも一般的に早く即効性肥料と呼ばれるものの多くが液肥です。一方で固形肥料は土に混ぜられ、土の中の水分に溶け出した後に、地中の植物の根から吸収されるので、植物の内部に吸収されるまでに時間がかかるものが多くなります。また、液肥は葉面に直接散布することで栄養を与えることもできます。
液肥のデメリット
液肥のデメリットは、即効性が有る一方で、持続性が有りません。固形肥料は一度与えるとゆっくりと土の中に溶けだし持続力がありますが、液肥は固形肥料に比べて持続力がない分、与える頻度を多くする必要があります。また、液肥によって、希釈倍率が異なるので、確認してから使用しましょう。
ハイポネックスの配合成分
ハイポネックス原液の裏書には保証成分として次のように表示されています。
【保証成分量(%)】
窒素 全量 6%
内アンモニア性窒素 2.9%
硝酸性窒素 1.05%
水溶性りん酸 10%
水溶性加里 5%
水溶性苦土 0.05%
水溶性マンガン 0.001%
水溶性ほう素 0.005
製造メーカーの商品説明には次のように表記されています。
植物の健全な生育に必要な15種類の栄養素をバランス良く配合しています。
チッソ、カルシウム、微量要素を強化し、花や野菜などいろいろな植物の花や実つき、花色・葉色を良くします。
商品の特長
- 与えて効果がすぐに現れる速効性で、草花から野菜まで、いろいろな植物に使えます。
- リンサンを多く含む「山型」タイプで、植物を大きく育て、花数を増やし、次々と花を咲かせます。特に根の生育が良くなり、植物を健全に育てます。
- 一般的な土から畑の土まであらゆる土に優れた肥料効果があります。
- 花苗・野菜苗にも最適です。
- pHは、6~7の弱酸性です。
適用作物
庭植え植物(花木、庭木、果樹、芝生)、草花、野菜、バラ、キク、観葉植物、鉢花、洋ラン、球根、花木、果樹、ハーブ、サボテン、東洋ラン、カンノンチク、山野草、盆栽、幼苗など。
ハイポネックス原液の効果
それでは、ハイポネックス原液を使用すると、植物にどんな効果があるのでしょうか?
①効果が出るまでの時間が短い!
植物は急に萎れて元気がなくなっていることがあります。せっかく育てている植物がそんな状態になると、焦ってしまいますよね。ハイポネックス原液は液肥なので、速効性があります。素早く根から吸収されて、効果が現れるまでがとても早いのです。早いものでは翌日に違いが出てきます。
②花数や実付きがよくなる
ハイポネックスは成分配合が、チッソ・リンサン・カリの三要素比を6:10:5と、チッソ比を高め、微量要素やカルシウムなど栄養素を配合し、肥料効果がより実感できる構成になっています。なので、茎や葉がしっかりと育ち、花数や実の付きも良くなります。
③植物の根の発達を促進する!
根は養分吸収の最重要器官ですがカルシウムが欠乏すると伸長が停止してしまいます。ハイポネックス原液には、カルシウムもしっかりと配合されています。そのため、根が成長し、成長した根がさらに様々な養分を吸収します。だから植物がよく成長するのです。
ハイポネックス原液の使用方法
さて、ハイポネックスの効果が分かったところで、ハイポネックス原液の使用方法をご紹介します。
①ハイポネックスは薄めて使う
ハイポネックス原液は、薄めて使用します。薄め方は植物ごとに異なり、以下の表の通りとなっているので、よく確認して使用しましょう。
植物 | 倍率 | 使用間隔 |
庭植え植物(花木・庭木・果樹・芝生) | 250倍 | 2週間に1回 |
草花・野菜・バラ・キク・観葉植物・花壇・菜園 | 500倍 | 1週間に1回 |
鉢花・洋ラン・球根・花木・果樹・ハーブ | 1000倍 | 1週間に1回 |
サボテン・東洋ラン・カンノンチク・山野草・盆栽・幼苗 | 2000倍 | 2週間に1回 |
②水分の与え過ぎに注意する
ハイポネックスは、土が乾いたときに水やり感覚で与えるのが良いでしょう。ハイポネックスを与えた後にすぐ雨が降ったり水やりを行うと、せっかく与えた養分が流れてしまいます。また、冬期間は根からの吸水力が鈍っているので与え過ぎは根腐れの原因にもなってしまいます。
③使用頻度を守りましょう!
ハイポネックス原液を与える頻度は、上記の表に示されています。与えすぎると肥料やけを起こしてしまいます。
ハイポネックスのまとめ
ハイポネックス原液は、発売以来常に液肥分野で50%を超えるシェアを保っている液肥の定番人気商品です。豊富な栄養素を手軽に与えることができるといった特徴だけでなく、速効性も優れています。使用方法も水に薄めるだけと簡単で、葉面に直接散布することもできます。室内に鉢植えなどを置いている方にも、植物がピンチの状態になった時には、心強いお助けアイテムなのでぜひ一本は常備しておきたい商品です。
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